2013-06-15

Eat Generation


近くに住んでる訳でもないのにすっかり居心地が良くなってしまった街、幡ヶ谷



家にいる時間より、店にいる時間の方が長いせいなのか?

オープンと同時に駆け込んで来る子供達がいるからか?

近所のお客さんや、店を通して知り合った友達が沢山増えたせいなのか?

たまにすれ違う白い靴下をはいた黒猫と挨拶を交わす様になったのも理由の一つか。

近所に美味しい食べ物屋が沢山あるのも知ったし、珍しい本を扱う店も教えてもらった。
 

いつもの街で今日も一冊の古本を買った。

”行きつけ”って言うとなんか近くに住んでないと呼べない言葉の様な気がするから

今はまだ”お気に入りの場所”って呼ぶ事にする。


その”お気に入りの場所”で買った本の冒頭があまりに響いたので

まだ読み始めたばかりの言葉の中から抜粋させてもらう事にした。



書いたら少々長いので読み疲れたら休みながら目を通してみて欲しい。



『音楽リスナーのための質問リスト』


音楽は何をつたえるんだろう?
それは例えばミュージシャンに訊くべきことだろうか?
彼らは明確な答えを持っているのだろうか?
というか、そもそも彼らは伝える必要を感じているのだろうか?
感じていないとしたら、彼らはなぜ音楽を作るんだろう?
感じているとしたら、彼らは何を伝えたいんだろう?

生活?
感覚?
快感?

あるいは音そのもの?
音楽を伝えるというのはどういうことだろうか?
それは言葉にできるようなことだろうか?

『最近、いつ遊びに行った?』
『この間観たのは誰のライブだっけ?』

なぜダイヴするんだろう?
なぜ踊るんだろう?

リスナーとアーティストは何処で繋がっているのだろう?

クラブクアトロ?
ロフト?
シェルター?
リキッドルーム?
イエロー?
ゼップ?
ブリッツ?
渋公?
野音?
オンエアイースト?
ウェスト?

あるいは、もっと小さい場所なのか?
それともそもそも場所じゃないのか?

CDやレコードはどこで買う?
タワー?
HMV?
それともその他の大型レコード店?
それとも、宇田川町やアメリカ村の輸入アナログ専門店?
シスコ?
マンハッタン?
それとも、マンションの一室にあるような知られざる店?
そして、そこで何を買うんだろう?


クラブでDJブースを覗き込んでチェックした曲?
雑誌で誰かが推薦していた曲?
誰かが持っている曲? 誰も持ってない曲?
それとも、昨晩ラジオから流れてきた曲だろうか?
そういえば、なぜこの国にはこんなにラジオ曲が少ないんだろう?
深夜テレビに流れているあれだけ多くのランキングは、誰が決めているのだろう?
どんな基準で?


雑誌に書いてあることは何処まで信じられるだろうか?
70パーセント? 30パーセント?
そもそも『正しい』情報はあるのだろうか?
それは音楽に詳しい人の言葉だろうか?
あるいはリスナー個人の判断基準がすべてなのか?
売れている音楽は売れていない音楽より多くを伝えられるのか?
コミュニケーションはCDの販売枚数に比例しているだろうか?


本当に音楽はジャンルに分けると売れるんだろうか?
すべての音楽をジャンルに分けることは可能だろうか?
今年の夏にある大型イベントに全て行くといくらかかるのか?
たとえば、何の情報もなく、音楽に出会う事は可能だろうか?
あるとして、それは純粋な体験と言えるだろうか?
『純粋』って? 情報がないことだろうか?


ヒップホップ? R&B? パンク? メロコア? スカコア?  レゲエ?
ロック? ジャズ? ラテン? ハウス? ドラムンベース? ダブ?
ニューウェイヴ? ノイズ? フォーク? 現代音楽? 音響派?

なぜ『?』をつけると皮肉っぽく見えるんだろう? 気のせいか?
ところでジャンル名を挙げるだけで、すべてのアーティストを一応は
説明できるだろうか?

挙げ忘れたものがあったけ?

あるいは、一人のアーティストについて、その内いくつかを挙げ、
誰の影響を受けていて、誰と活動しているのか、それで説明になるんだろうか?
それで納得できるだろうか?

友達に『このCDいいよ』と言ったあと、どんな言葉を続けるだろう?
それは『気持ちいい』とか『切ない』とか、あるいはもう少し気のきいた描写?
それか、さっきのようにジャンルを説明する?
というか、なぜ他人に説明するんだろう? したいのか? しなくてはならないのか?
自分はこんな音楽を聴いている、ということを他人にアピールしたいのか?
それとも自分が好きだから、他人に知らせたいのか?
あるいはその両方か? どちらでもないのか?
好きでもない音楽を他人に紹介したことはなかっただろうか?
したとして、それはいけないことだろうか?

ここまでいくつ質問しただろう?
普段からこんなことを考えている人はいるだろうか?
たくさんの質問をされるとうんざりしないだろうか?
答えのない質問ばかりなのではないか?
何か新しい質問はあっただろうか?
この質問リストは10年前でも同じ意味を持っていただろうか?
10年後には同じ意味を持っているだろうか?

ジェネレーション、は存在するだろうか?
共感、は存在するだろうか?
それは同じ時に同じ音楽を聴いてるから生まれるのだろうか?
同じ景気に生きているから生まれるのだろうか?

たとえば誰かが、音楽が好き、と言うとき、その『好き』はどういう
レベルなのだろうか?
『好き』にレベルはあるのだろうか? あるとして、その基準は?
それとも、そんな話しはとっくに終わっている?

これで最後の質問にしてもいいだろうか?
音楽は本当に必要だろうか? 3度の食事のように?



ここまで全て読んで頂いた音楽馬鹿のみなさんありがとうございました。

古着屋のブログとはかけ離れた文章を長々と書いたけど
素直に『音楽』が好きで、『音楽』を通して古着をもっと好きになっただけ。



”答えがあるのか、ないのか判断は読んだ人達におまかせ”




今日のおまけ。


古着でも『古着好きの質問リスト』が作れそうだと思った。

次回はちゃんと古着を紹介します。